
こんにちは!番場FP事務所番場です!
新型ウイルスによる混乱が、市場にも同様に大きな混乱を招いていますね。
最近積立投資を始めた方などは、含み損を抱え、投資をやめてしまおうと考えてる方も少なからずいらっしゃると思います。
しかし、市場の歴史としては、約10年に1度くらいの間隔で暴落と言われるような大きな調整局面を繰り返してきてきています。
積立NISAやiDeCoなどで積立投資を20年~30年の長期で考えてる方は、今回のような相場が必ずあるということを認識したうえで投資を続けていく必要がありあります。
短期的に多少の含み損を抱えていても、「時間」という投資最大の武器の力を認識して、冷静に対応することが大事です。
そして、積立NISAやiDeCoで活用できる「ドルコスト平均法」による投資は、弱気相場でそのメリットが最大限に活かせます。
今日は、そんなドルコスト平均法の基本的な仕組みについて、解説したいと思います。
ドルコスト平均法とは
まず、ドルコスト平均法についてご説明します。
ドルコスト平均法とは、価格が変動する商品を毎日や毎週、毎月など一定の間隔で一定額で継続的に購入する投資方法のことです。(例 毎月2万円、3万円など)
購入金額が決まっているので、価格が高いときには購入量が少なくなり、安いときにたくさん購入できることにより、購入単価が平均化します。
ドルコスト平均法のデメリット
この投資方法は、万能ではありません。
投資対象がずっと値上がりしていくような場合には、機会損失をしてしまうというデメリットがあります。
ですから、理論的には、投資判断に自信のある方には向いていない手法となります。
投資の基本は、「安く買って高く売る」ということですが、売買のタイミングを見極めることは非常に困難です。
そして、タイミングを見計らうということは、多くの時間を費やすだけではなく、市場の動向に一喜一憂するなど、大変ストレスのかかる作業となります。
また、時間をかけてもそれが必ずいい結果を生み出すとは限りません。(今が安いか高いかの判断はプロでも難しい為)
以上の事から、ドルコスト平均法は、市場の動向に振り回されず売買の判断に時間を費やしたくない方に向いています。
ドルコスト平均法の仕組み
ここで、ドルコスト平均法の仕組みを、投資信託の購入例で簡単にご紹介します。
投資信託は、取引単位として口(くち)が用いられています。
価格は基準価格と呼ばれており、通常、基準価額は1万口あたりの金額が提示されています。
今回、投資信託A(初回購入時基準価額1万口10,000円)をドルコスト平均法で、あるときの1月から5ヶ月間毎月1日に10,000円の金額指定で購入したと仮定してみましょう。
この青いグラフは、投資信託の基準価額の変動を表しています。
1月は基準価額が1万円でスタートしていますが、投資期間中の基準価額は当然変動します。
(実際にはこんな極端に基準価格が上下する可能性は低いと思いますが、あくまでドルコスト平均法を簡単に確認する為のグラフということで見てもらえればありがたいです。)
さて、5ヶ月間投資した結果は、どうなりましたでしょうか?
購入金額合計は5万円。購入口数合計は60,000口ですね。
仮に5月の基準価額20,000円の時に60,000口売却した場合、20,000円×60,000口-50,000円=7万円の利益です。(取引コスト、税金を考慮していません)
このケースの場合、1月に50,000円一括投資した時よりも多くの口数を買えていますよね。
(1月購入金額50,000円、基準価格10,000円なので購入口数合計は50,000口)
ドルコスト平均法での投資信託の購入は、ざっくりとこのようなイメージです。
そして、一般的にドルコスト平均法は、ボラティリティ(価額の変動幅)が大きい商品ほど、有利となります。
例えば、基準価額が1月10,000円、2月9,000円、3月12,000円、4~5月が10,000円という変動だった場合はどうでしょうか?
図で示した基準価額より価額は変動していませんよね。
この場合の購入口数合計は49,300口なので、一括購入よりも購入口数は少なくなっています。
下落相場での投資
では次に、同じ期間で投資信託Aが次のように価額変動した場合はどうなるか確認してみましょう
初回購入時から価格が下がり、その後4か月間価額が初回購入時の金額に戻っていませんね。
このような相場の場合、ほとんどの方が気分が落ち込むかと思います。
ですが、このケースの場合5万円の投資額に対して、75,000口購入できています。
基準価額は下がってしまいましたが、その分安くたくさん買えたということになりますよね。
ここで重要なことは、基準価額に関係なく毎月一定額を機械的に購入しているだけで、意識して安くたくさん買っていないということです。
しかし実際には、このような状態が長く続いた場合、恐くなり途中で投資をやめたくなるかもしれません。
偉大な投資家と株価
ここで、「投資の神様」と呼ばれ総資産が9兆円を越えるとされる、ウォーレン・バフェットのクイズを引用したいと思います。
皆さんは生涯を通してハンバーガーを食べたいと考えましたが、ご自身では家畜を育てていません。さてこの場合、牛肉の価格は上がってほしいと思いますか、それとも下がってほしいと思いますか?
ローレンス・A・カニンガム 著:「バフェットからの手紙 第4版」より引用
これは当然、誰もが下がってほしいの一択ですよね。
次も、「バフェットからの手紙 第4版」の引用です。
さて、最後の問題です。みなさんがこの先5年間にわたって蓄えを増やしていくとします。あなたはその間株式市場は値上がりしてほしいと思うでしょうか、それとも値下がりしてほしいと思うでしょうか?多くの投資家がこの答えを間違います。今後は長い間株式を買い越すにもかかわらず、株価が上がれば喜び、株価が下がれば悲しむのです。つまり、これから買うことになる「ハンバーガー」の価格が上がったといって有頂天になっているわけです。
ローレンス・A・カニンガム 著:「バフェットからの手紙 第4版」より引用
日常生活では買いたい商品が安ければ、私たちは喜んで買いますが、株式市場ではそのことが非常に難しいという事ですね。
長期的に成長を続ける世界の市場
市場の暴落時に積立投資を始めたとしても、投資商品が開始時よりさらに下がる可能性は当然あります。
この先の市場がどうなるかは誰にもわかりませんが、これまでの歴史でみてみれば、上がり続ける相場も、下がり続ける相場もありません。
以下のグラフは、バンガード・インベストメンツ・ジャパン株式会社が算出した1980年以降の世界の株価のデータです。
このデータを見ると、1980年以降、株価の最高値から20%下落した弱気相場が実に8回もあります。
ところが、弱気相場の損失を、その後の強気相場のリターンが補っており、世界の株価は約20年で16倍以上伸びています。
まとめ
市場の動きは常に不確かで、長期投資を続けていく場合、時には私たちに容赦のない大きな揺さぶりをかけてきます。
ですが、データを冷静に分析すれば、市場がどのような状況でも、正しい商品選択の力を身に付け、長期で分散投資を続けていくことの重要性がわかります。
そして、世界に分散投資をするということは、世界が困難を乗り越えて成長していけば、投資対象のリターンもまた、世界の成長とともに上昇していくということを意味しています。
本日も、最後までお読み頂きありがとうございます。