
こんにちは!番場FP事務所番場です!
今日は、分散投資の効果を高める重要ポイントである「相関係数」の仕組みについて、解説したいと思います。
相関係数とは
相関係数とは、2つ資産の動きの関係性を数値で示す統計値のことです。
+1~-1の範囲で表され、+1に近づくほど2つの値動きが連動する傾向が高まり、+1は完全に同じ値動きになります。
反対に、-1に近づくほど逆の値動きの傾向が高まり、-1は完全に逆の値動きになります。
そして、0はまったく関係のない動きとなります。
相関係数とリスク分散
相関係数は、投資のリスクを分散するうえで非常に大事なポイントとなります。
例を挙げてみましょう。
例えばA、Bという2つの資産の相関性が+1だった場合、Aが1,000円値上がりすればBも1,000円値上がりします。
そして、Aが1,000円値下がりすればBも1,000円値下がりしてしまうことになります。
ですから、この場合A、Bの商品を組み合わせたとしても、リスクは分散できません。
ではA、Cという2つの資産の相関性が-1だった場合はどうなるでしょうか?
この場合AとCは完全な逆相関となるので、Aが1,000円値上がりすれば、Cは1,000円値下がりします。
逆にAが1,000円値下がりすると、Cは1,000円値上がりします。
ということは、資産Aが暴落したとしても、資産Cがその分値上がりしますので、資産全体の暴落は防げることになります。
(※あくまで理論上の話ですので、実際に相関係数が-1の資産の組み合わせがあるわけではありません)
つまり、相関係数が-1に近い商品を組み合わせることにより、効果的なリスク分散ができるということになります。
主要資産の相関係数
では、実際に資産ごとの相関係数をデータでみてみましょう
引用元:J.P.Morgan Asset ManagementGuide to the Markets
上記の図は、JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社が算出した資産クラス間のデータです。
右上が、直近10年の相関関係のデータで、左下が直近3年の相関関係のデータとなります。
このデータを見ると、日本株式と米国株式の相関性は、10年間でも直近3年間でも高いですよね。
つまり、米国株式が値上がりすると、日本株式も同じように値上がりする傾向になるということです。
ここで注目したいのが債券です。
日本国債や米国10年債は、すべての株式資産クラスとの相関性がマイナスとなっております。
つまり、組み合わせることによりリスク低減が期待できる資産となります。
システマティック・リスクと相関係数
相関係数を加味して分散投資しても、すべてのリスクが取り除けるわけではありません。
分散投資でも取り除けないリスクを、「システマティック・リスク」といいます。
システマティック・リスクは、市場の動向、金利の上昇や下落、政府要人の発言、異常気象や災害などにより発生します。
直近の相場でいえば、新型ウイルスの混乱と原油価格の急落がダブルパンチとなり、株や債券に関わらず、安全資産と言われている金も含めたほぼすべての資産が下落しました。
まとめ
・分散投資は、相関係数が重要。
・相関係数は、値動きの連動性を表す。
・株と逆相関といわれている債券も、対象資産によっては相関性が高い。
本日も、最後までお読みいただきありがとうございました。